偶然と必然

11/16
前へ
/31ページ
次へ
「っ、てめぇ、マジで何がしてぇんだよっ」 キレイに整えた髪をぐちゃぐちゃにしながら、だんだん惨めな気分に陥ってくる。 そんな誠を漆黒の濡れた瞳でじっと見つめていた慎也。 普段なにを考えているか分からない慎也ではあったが、今は目に見えて欲情しているのがその様子で伺える。 口で慰めることに疲れたのか、慎也は自身の手で再び誠のものに的確な刺激を与え始めた。 「…経験豊富な佐藤ならすぐに分かると思ったんだけど……それとも、認めたくないのかな」 なにを。 何も分からず安易にそんなことを聞いてしまえば、明らかに自分の身を危険に晒すことになる。 質問に答えた慎也はきっと、発言通りの行動に移すだろう。 与えられる気持ち良さにただただ無心で酔いしれていると、絶頂が近いのか誠が急に腰を引いて抵抗しだした。 「離せっ」 「駄目、そのまま…」 「はあっ、あ、…くそッ、もうっ」 微かに誠の息が荒くなったその瞬間を狙って、慎也がより一層早い動きで誠のものを攻撃する。 その堪え難いほどの快楽に誠は抗いきれず、そのまま達してしまう。 「…ん゙っぅ、」 まだ荒い呼吸の中、慎也が顔を寄せてきて誠の耳を食むようにして唇で弄ぶ。 「…佐藤」 耳元で囁かれる慎也の言葉、息遣い全てに甘さを感じて思わず身じろぎをする。 「…ん、」 .
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

744人が本棚に入れています
本棚に追加