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「やっぱり。説明しなきゃいけませんか…………詩津さん。座ってください」
「え、あ。はい」
ん?此処って自分の家だよな?
立場が逆な気がする………
彼女は、はあ、と溜め息をつくと側の小さな鞄から何かを取り出した。
すっ
それを、詩津の目の前に行くように、机の上で滑らせる。
「なんですか、これ?」
目の前の黄色い紙には上に、黒い字で
『――たまご。守りたい局――』
と、書かれていた。
たまご?守りたい?
たまごって、ニワトリとかのか?
あれを守るのか?
いや、温める?
悶々と詩津は悩む。
「残念ながら――――」
顔をあげると、ニコニコの彼女。
「ちがう[たまご]です。ニワトリさんはニワトリさんが温めますから」
確かに、そうだけども。
「たまご。守りたい局て、聞いたこと有りませんけど?市役所にでも有るんですか?」
「ありませんよ。
たまご。守りたい局は
天界にありますから」
天界……………
て
ん
か
い…………?
頭がうまく機能しない。
「ええー」
「信用してくれますか?」
.
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