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「あぁ!だから痛かったんですかぁ~。いつもの倍ですって~!先輩~いぃ」
谷田さんは、いつも叩かれてるのか?
「はいはいっ!とりあえず、静かにね。谷田よ。
すみません。天音先生、担当の者がうるさくて」
と、先輩らしき女性は、僕ににっこりと微笑んだ。
少し年上のような、落ち着いた笑い方だ。
「あ、いえ。
こちらこそ、ついつい笑ってしまって………」
すると、彼女はきょとんとした顔をした。
(え?天音先生て笑ってた?)
(先生は~自分の顔が~どうなってるか分かんないみたいですよ~~)
「あの?」
(そうよね!顔の筋肉動いてないみたいだし)
何やら2人でこそこそと話し始めた。
あれ?変なこと言ったかな?
笑ったのが、いけなかったのかな?
「――あの、谷田さん?たに「あ、すみません~。」あ、いえ」
二回目に話しかけると、やっと気付いてくれた。
それを見て、谷田さんの先輩らしき、女性は失礼しますと言って、自分のデスクに戻って行った。
「天音先生~。次は頑張りましょう~よ~!
あの、『葛城 明伊』(カツラギ メイ)を越えて下さいよ~!」
「先生なら絶対こえられますよ~~。俺の感が、勝てるって言ってます~!」
谷田は、とにかく闘いに燃える騎士のように、鼻息荒く、興奮している。
が、
「あれ? 先生~? 天音先生~?
天音先生~~っ!」
当の天音は既にソファは居なかった。
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