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飛んできた野郎の方向をを見上げるとそこには。
黒髪で切れ長の綺麗な黒目。整った顔に長身のいかにも女にモテモテだろう男が立っていた。
「ってめぇ!!!先輩に向かってこんな事して許されると思ってんのか!?ああ゛!?」
「あぁ?アンタが先に手だしたんだろ?先輩が後輩に手出すなんて。大人気ないと思いますが?」
「っめぇ・・・!来いよ。先輩が優しく後輩の在り方を教えてやんよ!!!」
「なんなら優しくお願いしますよ、先輩」
「あの~」
ふぬけた声に睨み合っていた2人と食堂にいた生徒達が一瞬にして声の主を見た。
「・・・あぁ?」
「ケーキ駄目になったんだけど。どーしてくれんの?」
そろそろと、黒髪の男と世繋は目を合わせる。
そして立ち上がって、窓の外を指差す。
「喧嘩なら外でしろよ。それから、ケーキ駄目になったじゃん。責任とってよね」
「はぁ!?」
図体がでかい野郎は「ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ糞が!!!」と目を赤くして怒鳴っているが、黒髪は驚いた顔をして直ぐに真顔にもどった。
「当然でしょ。ケーキ食べ損ねたし」
当たり前のように堂々と喋る世繋を見ていた生徒はどよめき出す。
周りの声よりも甘いものが大事な世繋は尚も黒髪を見つめる。
「アンタ、名前何?」
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