毒舌vs天然

3/8
前へ
/146ページ
次へ
飛んできた野郎の方向をを見上げるとそこには。 黒髪で切れ長の綺麗な黒目。整った顔に長身のいかにも女にモテモテだろう男が立っていた。 「ってめぇ!!!先輩に向かってこんな事して許されると思ってんのか!?ああ゛!?」 「あぁ?アンタが先に手だしたんだろ?先輩が後輩に手出すなんて。大人気ないと思いますが?」 「っめぇ・・・!来いよ。先輩が優しく後輩の在り方を教えてやんよ!!!」 「なんなら優しくお願いしますよ、先輩」 「あの~」 ふぬけた声に睨み合っていた2人と食堂にいた生徒達が一瞬にして声の主を見た。 「・・・あぁ?」 「ケーキ駄目になったんだけど。どーしてくれんの?」 そろそろと、黒髪の男と世繋は目を合わせる。 そして立ち上がって、窓の外を指差す。 「喧嘩なら外でしろよ。それから、ケーキ駄目になったじゃん。責任とってよね」 「はぁ!?」 図体がでかい野郎は「ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ糞が!!!」と目を赤くして怒鳴っているが、黒髪は驚いた顔をして直ぐに真顔にもどった。 「当然でしょ。ケーキ食べ損ねたし」 当たり前のように堂々と喋る世繋を見ていた生徒はどよめき出す。 周りの声よりも甘いものが大事な世繋は尚も黒髪を見つめる。 「アンタ、名前何?」
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1728人が本棚に入れています
本棚に追加