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黒髪が口を開いた。
「はぁ?名前聞いてどうすんの。俺はケーキが欲しいの。それから年上には敬語使えよ。」
ムッスリと言い放つ世繋を以前とその表情を変えずに黒髪が喋る。
「名前なんてぇの」
半ば呆れ顔でため息を付くと、世繋は頭を掻きながら、
「三神世繋。これでも立派なお前の先輩でぇす」
と答えた。すると黒髪は無表情のまま、
「じゃあ三神先輩。俺今金欠病なんで、ケーキはまた明日で」
「え」
「じゃあ」と一度も振り替えらず、去って行く黒髪をただただ世繋は見ていた。
「・・・自分の名前くらい教えろよ」
ぶつぶつ言いながらスプーンについた生クリームをペロッと舐めた。
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