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「ケーキ食い損ねたぐらいでまとわりつくなよ。鬱陶しぃ」
「俺もダメ~。帰りにクレープ買ってよ隼人~」
隼人に後ろから抱き付き、ズルズルと廊下を引きずられて行く。昼も過ぎあと1限で終わる。
「つか、お前2年の小澤になんかされたのか?」
隼人の口から聞き慣れない名前が漏れた時、世繋は反射的に手に力を入れていた。・・・だから隼人の首を後ろから締め付けている態勢になった。
「ぐわっ!」
「おざわぁ?誰それ」
「っ・・・お前が今日食堂でケーキ駄目にした奴だよ。お前、名前も知らねえガキに責任とれとか言った訳?どんだけおバカさんだよお前は」
くりっと後ろを向いて、世繋の腕を隼人が振り払った。
「だって、名前聞いて無かったしぃ」
ヘラヘラ笑う世繋の腕を隼人は掴むと足早に廊下を立ち去る。
「いたたっ隼人。痛いって」
「クレープ買うんだろ?」
「マジで!?やったぁ!!隼人大好きぃ」
「ぐぇえ」
後から抱き付く世繋の姿を外から時雨は見ていた。
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