毒舌vs天然

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「なんだ。明日とか言ってたくせに。つかさぁアンタ名前なんなの?先輩に名乗らせといて自分は言わないってなしっしょ?」 冗談じみて言ってみると黒髪は割とすんなり応えてみせた。 「小澤時雨」 逆光の所為で良く見えなかった顔は確かに少し照れていた。 綺麗な黒髪に切れ長の黒目。背丈も世繋よりも弱冠高い。顔は言わずもがな、かなりのイケメン君。 さぞや女の子にモテモテなんだろぅとつくづく思う。 あまりにも情熱的(?)な目線に時雨も首を傾げた。 見つめ過ぎた! と後悔しつつ目を反らして顔の目の前で手を合わせた。 「いったたぎます!」 シュークリームの袋を勢い良くあける。 すると隣にストンと腰を降ろした。 「・・・。あ、食べる?」 隣のイケメン君に食べかけのシュークリームを差し出した。 「いらない。」 「あっそぅ。つぅか、先輩には敬語つってんだろ」 ヘラヘラしていてもチャッカリ上下関係を意識している世繋。 「はいはいっと。三神先輩」 「はいは一回で結構です。・・・あ、なんで俺が敬語な訳?」 クスリ。と時雨が笑った。 形のいい顔が尚も格好よくなった。 (コイツ、笑ったら可愛い) またもじっと顔を見てしまったらしく時雨は不快な顔をした。 「なんスか?」 「あ、いや。別に・・・」 あんな事言えねぇだろ。 するとピットリと右頬に時雨の綺麗な指が当たった。 「クリーム、ついてますよ先輩」 口元のクリームを指で拭いそのままぺろりと舐めた。
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