マキちゃん

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「昨日はその、友達が色々やってくれて」 恥ずかしそうにしている。今が普段の姿なのだろう。女は化けるとひとり納得した。 「僕は今の方が好きかな、くらい言ってあげなさい」 ボーガスの耳打ちを無視して昨日よりヒールの低い彼女を見下ろして聞く。 「それで、今日はどうしたの」 「高木さんからここでバイトしてるって聞いて。昨日アドレス聞けなかったから直接来てみました」 高木はケンちゃんの名字だ。ボーガスがにんまり笑う。 「他の子に教えてたから、そっちから聞いてくれてもよかったのに。これでいいかな」 確認をとって揚げ物の包み紙にメールアドレスを書いて渡した。 「ありがとう。メールするね」 彼女はそれだけ言うと店を出て行った。 「今の子がマキちゃんだよ。これはもう、確定だな」 (じゃあ彼女がケンちゃんオススメの) 「大人しめだから、君に合うと思ったんだろう。ケンちゃんは君の好きなアダルトビデオがどんなにえげつないか知らないから」 (それは言わないでほしい) 控えめに考えても僕は彼女に好意を持たれている。これだけ積極的に行動するくらいだから、そう思ってもいいだろう。そうでなければ罠だ。  
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