マキちゃん

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  僕はマキちゃんについていくらかの情報を得た。母子家庭であること。料理を始めとして家事が得意なこと。不満を溜め込みやすいこと。意地になると頑固なこと。アルコールはあまり好きでないこと。 『要するに結構地味な性格ってわけ』 「なるほど。ありがとう」 そのあとケンちゃんと少し話して通話を切った。僕の意見を求められなかったということはまさか断るとは思われていないということだろう。飢えているように見えるのだろうか。 僕としてはマキちゃんの情報よりも多分ベッドの上にいる女の子と電話しているという状況に興奮してしまった。情事の前かあとか、あるいは両方かとつい想像してしまう。 「トイレにこもるなら、しばらく席を外そうか」 ボーガスが僕の下腹部の事情を察してそう提案した。 (余計なお世話だよ) ズボンの前が目立っていないことを確認すると僕は再び帰り道を歩き出した。  
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