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プロローグ
アメリカなどでは特に、子供の頃に見える当人だけの友達が存在すると言われている。
日本で言えば座敷わらしのようなものだろうか。
子供が空中に話しかけていて、「誰と話しているの」と聞けば当たり前のようにいもしない友達を紹介されるそうだ。
僕自身子供の頃そんな経験をしていて、いっときはどうして彼が僕にしか見えないのか悩んだものだ。
それくらい当時の僕にとって彼は確固として存在する友達だった。
そしてその子供特有らしい幻覚は、不本意ながら24歳になった現在も僕のそばに存在している。
彼は初めて見た姿のままずっと変わらない。
おかしいことがあれば派手なパッチワークの服で包んだ大きな体を震わせて笑い、議論を始めればつま先が反り返った靴を振り回して足を組む。
金髪で彫りが深く白人風の顔立ちをしているので日本の日常風景からは完全に浮きっぱなしだ。
僕だけの妖精は子供がすすんで友達になりたがるような外見は持ち合わせていなかった。
しかし僕にとっては長年連れ添った大切な友達であることに間違いはない。
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