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「ここが私の村です」
「へぇ」
関心するように声をあげた青年
自慢ではないが村の特産品である籠を作るため、家と家の交流が盛んな村なので人の数は少ないものの村の、活気なら大きな街にもかかわらず引けを取らない自負がある
「・・・・いい村だ」
呟く青年
その瞳はこの村を見ているのではなく、まるでどこか遠くを見ているようにも見える
「お、凪ちゃんお帰り」
「早かったね」
「後ろにいるのは誰だい?」
私達を見つけた村のみんなが早々にやってきた
「この方は、近くで黄巾党に襲われそうになったので私が助けました
特に行く宛てもないそうなのでとりあえず村に連れてきました」
「ほー、そいつわ大変なめにお会いなさって・・・・ゆっくりしていってください」
「そうですか、
ではありがたくお世話になります」
「そうだ水鏡先生とこの私塾に空き部屋があったよな!」
「そうだそうだ!
お使いなさるといい、こちらです
行きましょう!」
足早に青年を連れていなくなってしまうみんな、
「凪ちゃん、あのお方のお名前は何と言うの?」
言われてハッと思い出す
私は彼の名前をまだ聞いていない
「すみません、聞いていませんでした」
「まあ凪ちゃんたらそそっかしいのねぇ~」
微笑みを浮かべながら残っていたみんなもいなくなってしまった
確かにまだ彼には会ったばかりだが、どうして名前を教えてくれないのだろうか?
なんだか彼の名前を知らない自分が堪らなく不愉快だ・・・・
知りたい
自分らしくない思いにさいまれながら私は仕事にもどった
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