鬼神、頭(こうべ)を垂れる

3/3
前へ
/23ページ
次へ
「今日という日、我々の革命はなった!! ウォルト・ローエンガードの処刑を始める!」 処刑台にたつ革命軍のリーダーのような女は、自らの着る甲冑をガチャガチャと揺らしながら大声で叫ぶ。 「慈悲深い我々は、この愚王ローエンガードの死ぬ前に手向けとしてひと「御託はいい、さっさと殺せ」なっ!?」 ローエンガードは女の声を征するように短く言い放った。 「この、人手なし!」 「姫様になんてことを!」 「ジャンヌ様!そんな奴早く殺して下さい!」 口々にローエンガードに対する不満の声が上がる。 「・・・・・・」 「・・・わかった。 何も言うことが無いのであればそれで良い。 貴様の生き様なぞその程度のものだったのだろう。 ならば愚王ローエンガード、 貴様は私が自ら地獄に送ってやる。」 静かに言うジャンヌ 自分の腰にある剣を抜き振りかぶる。 「・・・もし・・・。」 「?」 「もし、少しでも慈悲があるなら聞いていいか・・・。」 今更怖じ気づいたかなどと飛語を投げつける民達。 それをジャンヌは手で征した。 「・・・聞こう。」 「そうか・・・・じゃあ聞く ・・・・・・この世界は平和になるか? 」 「・・・・・・ああ、するさ。してみせる。」 「そうか・・・・」 振り下ろされる剣 それを前にして 「・・・・ああ良かった。ありがとう。」 愚かな王は、微笑みと共にこの世を去った。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

850人が本棚に入れています
本棚に追加