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「ごめんごめん;」
「全く…‥。」
まだ文句を言い足りなさそうなケイ。栗色のショートボブに上がり眉、パッチリした目という気の強そうな外見だが、実は意外と心配症なのだ。
「実は朝ね…‥」
紅子は登校中の出来事を一通りケイに話した。
「へぇ。それでこんな時間になったわけね。まぁ…紅子らしいかも」
「どういう意味よ、それ;それでその男の子の名前、月野荒夜くんって言うんだ。ケイ、知ってる?」
さりげない皮肉に軽くつっこみ、紅子はケイに尋ねた。
「そりゃ知ってるよ」
「え?」
当然とばかりに答えるケイ。自分で尋ねたとはいえ、紅子は少し驚いた。
「何で?結構有名な人?」
「あのねぇ…‥;紅子、いくら男に興味ないからって、せめてクラスメートくらい覚えておきなよ」
「だって別に困るわけじゃないし…って、はい?」
『クラスメートくらい覚えておきなよ』
つまりは…‥
「クラスメートォォォォォォ!?」
「全然わからなかったの?」
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