その1

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「ごめんごめん;」 「全く…‥。」 まだ文句を言い足りなさそうなケイ。栗色のショートボブに上がり眉、パッチリした目という気の強そうな外見だが、実は意外と心配症なのだ。 「実は朝ね…‥」 紅子は登校中の出来事を一通りケイに話した。 「へぇ。それでこんな時間になったわけね。まぁ…紅子らしいかも」 「どういう意味よ、それ;それでその男の子の名前、月野荒夜くんって言うんだ。ケイ、知ってる?」 さりげない皮肉に軽くつっこみ、紅子はケイに尋ねた。 「そりゃ知ってるよ」 「え?」 当然とばかりに答えるケイ。自分で尋ねたとはいえ、紅子は少し驚いた。 「何で?結構有名な人?」 「あのねぇ…‥;紅子、いくら男に興味ないからって、せめてクラスメートくらい覚えておきなよ」 「だって別に困るわけじゃないし…って、はい?」 『クラスメートくらい覚えておきなよ』 つまりは…‥ 「クラスメートォォォォォォ!?」 「全然わからなかったの?」
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