序章

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何時もの時間に起き、炊きたてのご飯と水、お茶を仏壇に供え、線香をあげる。 それが俺の毎朝の日課だ。 「おはよう、父さん、母さん、桜(さくら)。」 俺は死んだ両親と妹にニコリと笑い挨拶をする。 それから朝ご飯と弁当のしたくをする。 それがもう三年も続いている。 時がたつのは遅いようで早い。 両親と妹は旅行中、飛行機事故により亡くなった。 飛行中のエンジントラブルにより、海に墜落。 乗客、乗員全員死亡。 その時俺は風邪をひいていて旅行には行かなかったおかげでなんを逃れた……。 場所が場所だけに遺体も見つから人もいたそうだが、運よく、両親と妹の遺体は発見された。 それぞれの体の一部が無い状態で……。 俺は朝ご飯をすませると食器を洗い、水切り台に乗せる。 「行って来ます。」 誰もいない家にそう言うと玄関を出て、鍵をかけ、学校へと向かう。
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