01 想いと絶望

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カラン-… コロン-… 鈍った身体を伸ばし脚を進める。だが知らない土地だ、この領域から離れぬ事は出来ない。 しかし… 本当に見慣れない物ばかりだな。苦笑しつつ水平線上に視線を戻せばアイツが居た。 ベンチに腰掛け月を仰いでいる。 視界に移る蒼い髪、蒼い瞳…哀しい面影。お前でもそんな顔をするんだな? 下駄を鳴らせば奴が此方に視線を向ける。 嗚呼、まだ大丈夫。アイツはまだ闇を知らない。
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