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いやに黄色い満月の見える夜、電話がなにもない寂しい部屋で鳴り響いた。
数回なった後、家の者であろう老人がゆっくりと電話ほうにやってきた。
老人は髪はもう真っ白だったが体はまだまだ健康らしく安定したあしどりをしていた。
老人は電話の前に辿りつくと受話器をとった。
「はい、あっお坊ちゃまですか。」
「いよいよ明日だな。」
どうやら相手は若い男のようだ。
「はいそうですね。」
「しっかり宝にふさわしいやつらを選んでくれたよな」
あやしげな会話が続く。
「ええ、それはぬかりありません。」
「そうか、ならいい。さて、最後に残るのはだれだろうな。」
「おそらくお坊ちゃまの予想通りになると思いますよ。」
「そうだと俺にも人を見る目があるってことだな」
「そうですね。」
「じゃあ、もうそろそろ寝るよ。そっちのことは任せたぞ」
睡眠はきちんととる人のようだ。
「ええでは」
老人は電話のある部屋を出て自分の部屋へ入った。
ちょうどその時満月が黒い雲に隠れようとしていた……‥
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