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バーンハートは怒鳴ると、数メートルの距離を一瞬で縮め、男の剛腕が唸る。
颶風(ぐふう)をまとったバーンハートの右腕が、俺の掲げた白護の剣に激突!
(障壁展開)
新たなメッセージが出現すると同時、衝撃が激減する。
俺は数センチ動かされただけで、バーンハートの一撃を止めた。
「ふははっ。まさか真・魔剛拳までもを止められるとはな! いいぞ、奏空――決着はまた今度に預けてやる」
バーンハートは耳障りなほど豪快に笑う。
相変わらずただの右ストレートだろう、という突っ込みや、白護の剣の能力を考える前に、俺の思考は暗転した。
身体は重力に引かれて、冷たい雪の上に倒れる。
白と赤の二振りの剣が消失し、サラがバーンハートによって抱え上げられるのを見て、重たいまぶたは落ちる。
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