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その日の放課後。沖田はたまたますれ違った俊哉を呼びとめ、空き教室に誘った。
「ごめんね、急に呼び止めたりして」
「何か御用ですか?」
「いや用と言うか・・・。そう今日の作文の事で先生聞きたいことがあってさ」
「・・・同情ですか?」
「え?」
「僕同情されたくてあの作文書いたわけじゃないんですけど。」
「あの、そういう事じゃなくてだな。つまりその・・・」
「用が無ければ帰りますけど」
「・・・家族殺されたって言ってたけど。それ、本当なのか?」
「・・・はい」
「そうか・・・」
「先生こんなこと知ってどうするんですか?何かしてくれるんですか?僕の家族返してくれるんですか?」
「だから先生は三屋君の悩みを聞いてあげようと」
「悩み?そんなものありませんよ。そんなに僕が悩んでるように見えましたか?」
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