職員室

5/8
前へ
/26ページ
次へ
その日の放課後。沖田はたまたますれ違った俊哉を呼びとめ、空き教室に誘った。 「ごめんね、急に呼び止めたりして」 「何か御用ですか?」 「いや用と言うか・・・。そう今日の作文の事で先生聞きたいことがあってさ」 「・・・同情ですか?」 「え?」 「僕同情されたくてあの作文書いたわけじゃないんですけど。」 「あの、そういう事じゃなくてだな。つまりその・・・」 「用が無ければ帰りますけど」 「・・・家族殺されたって言ってたけど。それ、本当なのか?」 「・・・はい」 「そうか・・・」 「先生こんなこと知ってどうするんですか?何かしてくれるんですか?僕の家族返してくれるんですか?」 「だから先生は三屋君の悩みを聞いてあげようと」 「悩み?そんなものありませんよ。そんなに僕が悩んでるように見えましたか?」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1685人が本棚に入れています
本棚に追加