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授業が終わり職員室に戻った沖田。自分のデスクに着くなりため息をこぼす。
「お悩みですか?沖田先生」
沖田の隣のデスクに座っている女教師の安倍が話しかけてくる。安倍は中年のおばさん教師で三年の学年主任、そして俊哉のクラスの担任である。
「さっきうちのクラスで授業だったでしょ?どうです、うちのクラスは?」
「え、えぇ、良い子たちばかりですよ。課題もしっかりやってきてくれましたし。」
「そうでしょ?私のクラスは皆優秀ですよ。新学期テストでもうちが学年トップでしたから。」
「そ、そうなんですか。すごいですね」
「ただ一人の生徒を除いては・・・」
「え?」
「では私は次の授業がありますので。何か悩み事があれば言ってくださいね。相談なら受けますから」
そう言うと安倍は去っていった。
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