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人の顔が焦りの表情に包まれていく。
「落ち着け」
少年が呟く。
「今生きている、手足動くって事は、体に障害はおそらく出ていない。」
(あっ…そうか)
少年の言葉にだんだん落ち着いた。
自分より年下の少年に落ち着かされた人は少し悔やんだ。
「んーまぁ…あれだ、一様言っとくか、俺のカメラの場所は首だ」
おっさんは上を向き、首を見せる。
喉仏より下にある小さなレンズが俺の顔を覗いていた。
「じゃあ、僕も…僕は胸にある」
金髪は襟首を下げ右胸を見せた。
そこにも小さく埋め込まれたカメラがあった。
自然に少年の方を見た。
少年の小さな口が開く。
「目だ」
隠れていた前髪を右手であげる…。
小さな顔に大きな青い瞳、小さな鼻に、小さな唇…意外にも整った顔立ち。
一見美形に見える少年…、何故か黒いレンズが本来左目がある場所に不自然に埋め込まれていた。
「これが、オモチャの理由…、あいつらは俺達を通して闘う物や行動パターンを見て笑ってやがるんだ…まぁ、マイクが無いのがせめてもの救いだがな」
少年はフッと笑う。
と同時に、警報音らしき物がけたたましく鳴りだした。
「始まったか…」
体の大きなおっさんとは思えない程の、蚊の鳴くような小さな声だった。
足元から穴が出てきた。
そして、霧が噴出される。
「これは催眠剤だ、そして誰かが連れていかれ、サタンのコレクション、化け物と闘う…死ぬな、生きろ」
少年とは思えない程の力強い声だった。
徐々に霧が濃くなり人は意識を失った。
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