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_________ 「あいつ大丈夫かなあ?」 誰も喋らない重たい空気の中、金髪の声が響き渡る。 「大丈夫じゃ無いだろうな…初めてだし」 茶髪の男がため息混じりで答える。 「また、仲間が死ぬのは見たくないよ」 金髪が顔をうつ伏せて呟く。 「死んでは、加えて、死んでは、加えて…、いつになったら終わるんだろうか」 茶髪が何処か遠くを見つめた。 「俺達が死ぬまで…この闘いは終わらない」 髪で目元までおおい被さった少年が答え、再び沈黙が流れた…。 耳をすますと上から、観客たちの騒ぎ声が微かに聞こえた。 「あいつが戻ってきたら…名前を聞かなきゃな…」 おっさんは静かに決意した。 __________
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