7/9
前へ
/17ページ
次へ
『ギィィン!』 硬い皮膚と刀がぶつかる。 思わず人は仰け反る…、レックスはその隙をつき、バックステップで激しく尾を人の腹にぶつける 人は水切りの石の様に飛んでいき、地面を転げ停止した。 「うっ、オエッ」 激しい吐き気と闘う中、凄まじい攻撃を受け、骨が折られて無い事にしばし驚きだった。 「硬いっ」 (でも…やるしかない!) 下段に刀を構え、そのまま突進。 レックスは迎え撃つ、鋭い爪が人を襲う。 「ラアァアッ!」 人は刀を降りかざし爪と激しく交差する。 ガギンッ! 金属を擦り合わせたような嫌な音がなり、人はオモチャの様に吹っ飛ぶ。 (反応もなかなか速い…ヤバイな) 少し、ネガティブさが出てきてしまった。 「くそっ!まだだっ!!」 半分は自分に言い聞かせる様に、声を出すと、刀をまたもや下段に構え、レックスに突進する。 レックスは堂々と立ち、人の攻撃を待ち構える。 「せいっ!!」 ギンッ! 右下から左上に降り上げた刀は、レックスの硬い皮膚によって弾かれる。 レックスは刀を弾かれる瞬間を突き、人に爪を容赦無く振るう。 ブンッ 「やっぱりカウンター狙いだったか」 紙一重、バックステップで爪を避け、素早く切っ先を上段に構え、屈んでいる体制のレックスの眉間に勢いよく刀を刺した。 グッ 『ギャオォォオオォ!!』 レックスの怒りの咆哮は、観客席にいるサタンを黙らせるには十分過ぎる威力だった。 「はあっ!はあっ…20CM位いった!」 一見レックスの顔に刀が生えている様に見える。 レックスは痛いのか、刀を抜こうともがくが、意味を為さなかった。 人の心は『死』の暗黒が『生』の光に変わりつつあった。 「いける!!」 人の顔が少し緩む。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加