2人が本棚に入れています
本棚に追加
「今の内に!」
人は武器が置いてあった所に、一目散に駆け出した。
レックスは刀が気になり両腕を使って取ろうとするが、触ると痛むのか上手く取れない。
人の武器を取る間での時間稼ぎも眉の間に刺した刀のおかげで悠々と取れた。
人はまたもや刀を取った。
さっきと武器は同じ…だが、目だけは希望に満ちていた。
「いける」
刀の確かな重みと感触を確かめながら呟いた。
ギャオォォオ!!
再び咆哮。
『やれー!!』『殺せ!!』『おもちゃ負けてもいいぞー!』
先程まで静かだったサタンが次々に野次を飛ばす。
「はっ…お前らの事情なんてしるかよ」
「俺は生きる」
静かに刀を構え、迎え撃つ準備をする
レックスは大地を震わせ、物凄いスピードで突っ込む。
「爬虫類が…」
人は構えをやめる
ここまでの時間二秒
レックスの牙が今にも人の頭に届きそうだ
人はまだ微動だにしない
ついに、
牙が人の頭を飲み込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!