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『おーい…』
変に声を出してみる。
だが、声は暗闇に吸い込まれるだけにおわった。
建物の中の道を機械が歩く
冷たいトンネルに歩く音が響く。
しばらくすると、小さな音が聞こえた。
歩く音じゃなく、別の音。
小さく聞こえる音がさらに歩くにつれ大きくなる。
なんだか、応援のような音だ。
人を乗せた機械は歩く。
やがて、長い道を抜ける。
光を見た眩しさと共に、うるさい程の歓声が人の鼓膜に響く。
視力が回復した後、ぼんやりと前を見る、すり鉢状になっている下を見下ろすと人らしき者が獅子と闘っていた。
建物の内部は、人々の熱気で蒸し暑く汗臭かった。
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