なぜだか君が愛おしくて。

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「お待たせいたしました!」 しばらくすると、千鶴がお茶とお茶菓子をお盆に乗せてこぼさないよう気をつけながらやってきた。 「これは…金平糖だね。わざわざ持ってきたの?」 お盆に乗っているのは小さな砂糖の固まり、金平糖だった。 「先ほどお茶を用意していたら近藤さんが誰かと一緒に、とくださったのでせっかくならと思って、持ってきましたが…もしや嫌いでしたか?」 「いや?嫌いじゃないけど。それに近藤さんがくれたなら尚更食べなきゃね。」 そう言って金平糖をつまんだ沖田を見た千鶴は、ほっとして自分も食べ始めた。 しばらく二人でそうしていると、唐突に沖田が話しかけてきた。 「ねえ千鶴ちゃん、あ~んしてあげようか。」 「!?!?」 いつもよりやわらかな雰囲気の沖田にすっかり気がゆるんでいた千鶴は、危うく飲んでいたお茶が気道に入りそうになり、ゲホゲホとむせる。 「おおお沖田さん!!いきなりなにを!?」 収まったらしい千鶴は焦りながら訳を聞く。沖田はクスクスと笑いながら、さも可笑しげに答える。 「そんなに焦らなくたっていいじゃない。ほら、口を開けて。」 反射的に開けた千鶴の口の中に金平糖が投げ込まれ、甘い味が広がる。 「よくできました。というわけで僕にもちょうだい?」 先程の出来事で顔を赤くしていた千鶴はさらに顔を真っ赤にした。 「今日の沖田さんはなんだか意地悪です…。」 「そう?」 そんな会話がされ、千鶴の手から沖田の口へと甘い物は渡された。 、
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