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「嬉しいかも…」 「え?」 「今気がついたんだけど、俺も浅木のこと好き、かも…。」 春宮はのんびりした声で返答し、俺に屈託のない笑顔を向けた。 その瞬間俺は春宮に幻滅した。 自分のキラキラ目が一瞬にして澱んだ魚の目に変化したのを感じていた。 チラホラと降っていた雪が本降りになってきた。 春宮はゆっくりとした動作で大胆に俺の手をとり「冷たいね。」と言って息を吹きかけたんだ。 俺の頭の中は降り積もる雪のように真っ白になった。 春宮が「嬉しい」なんて返答するとは俺の辞書にはなかった。 仰天のあまり、意識が遠のき倒れそうになるのを「大丈夫?」と能天気な声を出して春宮が支えた。 その日のことはあまり覚えていない。 ただ、ひとつはっきりしていることには…ゲイの俺はノンケの春宮とお付き合いする事態になっちゃったのです。(は~と)
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