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言霊って本当にあるんだろうか。
あるとしたら、好きでなくても、好きだ好きだと言っているうちに本気で好きになってしまいそう。
現に俺は春宮に本気になりかけている。
この際、春宮が俺を罵ってくれなくてもいいやって思ってる。
いや…
言霊なんてないと信じたいんだ、俺は。
心のつぶやきが現実になるなんてバカげた話だ。
複雑だ。
俺は自分の恋が実るなんて思っていなかった。
絶対にこっぴどくフられると思ってた。
「きもっ!」
人懐っこい春の陽だまりみたいな笑顔が素敵な春宮に、冷たく罵られる自分を想像してゾクゾクしていた。
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