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好きになってしまったというか、ずっと好きだった想いに気付いてしまった。
圭冶と出会ったのは、幼稚園のころ。
泣き虫なのに、強がりでいつでも、どこでもついてくる。
でも、放っておけなくて。
守ってやりたいって思ってた…。
そこからずっと一緒。
小・中・高・大学。
家も同じマンションで…。
中学のころだったか、いつの間にか、僕より大きくなって…大人になって…。僕たちの立場は逆転した。
みんなの人気者で、格好良くて。
それがすごく嫌で、嫌で、距離を置こうとしたときもあった。でも、できなかった。
だんだん、自覚して行く想いと葛藤が、僕を縛った。
自分を騙して、他の奴と付き合ったりしたけど。
ダメだって思った。
だから、せめて、大学だけでも、別のところと思って黙って、受けた。
受かってから、圭治に言うと、圭治は妙な顔をして。
「あれ?俺言わなかったっけ?…デザインの大会で優勝したの知ってるよな。」
僕はこくりと頷いた。
「何か、それの副賞でそこに入学する事になってるんだけど。」
「は?」
「まぁ、また一緒ってことになるわな。」
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