主人公に必要なこと

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『目の前の水道水を飲むか、自販機のジュースを飲むか。』 水道水は、いつでも何の代償もなしに口にすることができる。 その変わり、味はない。 自販機のジュースを買うにはお金がいる。 だが、その分ジュースの味を知ることができる。 ジュースの味を知ってしまえば、もう水道水の水を飲み続けようとは思わないだろう。 お金さえ手に入れば、いつだってジュースは買うことができるんだ。 俺はきっと、ずっとお金を使うのを嫌がって水道水ばかり飲んでいた。 だから、まだジュースの味を知らないのだ。 このまま死ぬまで、ジュースの味を知らないまま生きていくぐらいなら、俺はお金を払ってでもジュースを買う。 俺の中に、そんな決断が生まれたのだった。
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