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《8》
猫がアリスの世界について考えてみると、それはもう十分に不思議なものであることに気が付きました。普通の少女はこんなところで店を出したりしない。それに親はどこに?店を出すためのお金はどこから?
アリスは微笑んで言いました。
「わたしはもう大丈夫。だからまた来てね、優しい猫さん」
猫は何も言わずに頷いて、窓から帰っていきました。今度はちゃんと粘土細工を買いに来ようと思いながら。
路地裏を走る猫達は皆、アリスのことが好きでした。
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