カメルーン戦 決戦当日

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 メディアセンターで仕事をしつつ、オランダvsデンマークの中継を見る。圧倒的なポゼッションで攻め立てるオランダに対し、しっかりと守備ブロックを作ってワンチャンスを狙うデンマーク。初戦ということもあり、どちらも非常に慎重な試合運びだったが、それでも随所にレベルの高いプレーが続出し、正直、この2チームと同組に入ったのは相当厳しいと感じざるを得ないレベルだった。オウンゴールもあり、0-2で敗れたデンマークだが、あの守備ブロックを崩すのは至難の業だろう。  オランダvsデンマークが終わり、いよいよ、我々の番がやってきた。プレス席に移動すると、メインスタンドとバックスタンドの2カ所に日本人サポーターが集まっているのが確認できた。この日のスタジアムの入りは、約6割程度だったので、ことサポーターにとっては、集まって応援することができる、非常に良い環境だったと言える。  試合の詳細については省くが、日本代表はかつてないほど集中してプレーし、闘う姿勢を前面に出してくれた。1-0という結果はもちろんだが、それ以上に、彼らの姿勢に感謝したい。本田圭佑はゴール直後、ベンチのサブメンバーのもとに駆け寄り、喜びを共有したが、あの瞬間のチームの一体感はこれまでにないものだった。また、試合中、ブブゼラに負けない声量で応援を続けたサポーターも素晴らしかった。彼らの応援が選手に最後まで走り続ける力を与えたことは間違いないだろう。  試合後のミックスゾーンは、選手以上にメディアのテンションが高かった。メディアにとっては、8年ぶりのワールドカップでの勝利なのだから、それも当然かもしれない。選手も、もちろん饒舌気味ではあったが、喜びを表現しつつも、すでに次の戦いに向けて、気持ちを切り替えている雰囲気が伝わってきた。
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