ふたつめの飴

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おっと。 喜んでいる場合じゃない。ちゃんと言わなくちゃ。 「ねえ、だから言ってるじゃん。沖、のあとスペースあけて」 「はいはい。まったくイライラさせる子だね、あんた」 無限ループに陥りそうだ。 だけど僕は譲れない。 真里ちゃんを馬鹿にする人は、例えそれがおばあちゃんだからって容赦しないんだ。 「まったく、その頑固さはおじいちゃん似だね」 おばあちゃんはそう言うと、再び煙に包まれた。 少しだけ笑っているように見えた。 「おばあちゃん待って!!」 一緒に飴の使い道を考えてよ。 僕は白いモヤを掴んだ。 だけど当然のように掴めなくて。 突然現れたおばあちゃんは、やっぱり突然消えていった。 でもおばあちゃん。 ちゃぶ台、忘れてるよ? 僕の部屋には不釣り合いな古いちゃぶ台が、 そこに残されていた。 .
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