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よし。
体から煙が消えた。
僕は誰にも見られないよう木陰に隠れ、3分待ったのだ。
大丈夫。
僕を脅かすヤンキーは、ここにいない。
一瞬公園のトイレに行こうかな、と思った。
だけど辞めておいた。
トイレは安全地帯(玉置)ではないことも、昨日学習したんだ。
僕はゆっくり、ゆっくり、真里ちゃんの座るベンチに歩きだした。
まず『こんにちは』だ。
それから『ごめんなさい』。
こんにちは。
ごめんなさい。
こんにちは。
ごめんなさい。
口の中で小さく呟きながら、背後から彼女の細い肩を叩いた。
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