ふたつめの飴

34/59

10973人が本棚に入れています
本棚に追加
/314ページ
またひとつ真里ちゃんについて知ることができた。 飼っている犬の名前は太郎。老犬。 僕の脳内に保存している真里ちゃんノートに、このことを忘れずインプットした。 ……て。 バッグを引ったくったこと、まだ謝っていないぞ。 僕のポカ!ポカポカ! ポカホンタス!←映画。 引ったくりは真里ちゃんを置いて帰ったことよりも重罪だ。 「あの、真里ちゃん?」 「はい?」 こちらを向いた彼女の瞳は、白目がとても綺麗だった。 「昨日、バッグを引ったくって、本当にごめんなさい」 膝に手をついて頭を下げた。 あの時とっさにあんな行動をとってしまったけれど、絶対他に方法があったはずだ。 例えば真里ちゃんを気絶させるとか、 真里ちゃんを窓から投げ飛ばすとか。 うん。 どちらももっと最低だね。 .
/314ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10973人が本棚に入れています
本棚に追加