ふたつめの飴

42/59

10973人が本棚に入れています
本棚に追加
/314ページ
僕は真里ちゃんにこっそり耳打ちをすると、再び彼女の前に立ち、公園をぐるりと見渡した。 ……大丈夫。 真里ちゃんだけなら、何とか逃がすことができるかもしれない。 すぐそばに出口がある。 近くにコンビニもある。 そこに逃げ込めば何とかなる。 「おい、にーちゃん。喧嘩なんてできるわけ?やめといたほうがいいんじゃね?さっさと女置いて消えろ」 ドスの聞いた声だった。 右目に眼帯をしている。 ……眼帯? 独眼竜か!?独眼竜なのか!? 伊達政宗じゃないか!! 「どう考えたって敵うわけないっしょ?ガハハハ」 大口を開けて馬鹿笑いをする大きな男。 木製のバッドを肩にかけている。 ……前田慶次ってことにしよう。 なんか、それっぽいし。 残りの3人を見た。 短髪と長髪と剃り込み坊主。 じゃあ、短髪が真田幸村。 長髪が……織田信長かな。 家康って感じでもないし。 剃り込み坊主は……。 うん。 ATSUSHIしかいない。 EXILEの、ATSUSHI。 完璧だ。 .
/314ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10973人が本棚に入れています
本棚に追加