ふたつめの飴

43/59

10973人が本棚に入れています
本棚に追加
/314ページ
カラス高の武将軍団+ATSUSHI。 そう思うと少しだけ怖くない……ような気がしてくる。 「黙ってんじゃねえ!!何とか言えよ!!」 幸村が眉の間にM字のシワを刻む。 ……限界だ。 もうすぐ武将に襲われる。 「ちょっと待って!!」 僕はそう言ってしゃがみこんだ。 「靴紐ほどけちゃったからさ」 ほどけてもいない靴紐に触れる。 「何だこいつ」 「馬鹿だ。こいつ馬鹿過ぎる!!」 「てか、靴紐の色がヤバイんだけど。マジウケる!!」 武将たちが笑う。 笑い声が耳にぐわんぐわん響いている。 僕はその隙に両方の手の平いっぱいに砂を握った。 せこい作戦だけど、こうするしかない。 少しでいい。 ほんの少しでいいから時間を稼ぎたい。 .
/314ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10973人が本棚に入れています
本棚に追加