ふたつめの飴

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チャンスは立ち上がる一瞬のみ。 緊張で汗がとまらない。 それでなくても僕は汗っかきなんだ。 手の平の汗で砂がくっついちゃう前に、武将たちに投げつけてやる!! 「いつまで座ってんだコラ!!」 たぶん政宗が言った。 ……今しかない!! 「くらえ、目潰し!!」 立ち上がると同時に、武将軍団目掛けて力いっぱい砂を投げた。 「うわ!?なんだコイツ!!」 「いてぇ。目に入りやがった!!」 武将が僕たちから顔を逸らした。 「真里ちゃん!!早く逃げて!!」 僕の声を合図に、真里ちゃんは地面を蹴った。 砂埃が舞う。 「太郎くんも、早く!!」 真里ちゃんが言った。 今にも泣き出しそうな顔で、僕を振り返る。 「すぐに行くから。だから先に行ってて」 「でも……」 「早く!!」 織田信長がこちらの動きに気づき、真里ちゃんを追うために飛び出した。 「行かせない!!」 僕は彼の足首をがっちり掴み、転ばせることに成功した。 「ありがとう、太郎くん」 真里ちゃんが走っていく。 彼女が確実に公園を抜けるまで、目を離さなかった。 僕は彼女を守ったんだ。 .
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