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いっきに体の力が抜けた。
僕の掴みから逃れた信長が跳ねるように飛び起きた。
「てめえのせいで女が逃げただろうが!!」
信長は立ち上がったばかりだというのに、倒れた僕の背中をこれでもかと踏んだ。
……痛い。
痛い。痛い。
「うっ。うっ」とうめき声がもれた。
やがて政宗たちも目潰しから復活し、僕のまわりに群がってきた。
絶体絶命
まさにこの言葉がしっくりくる。
背中を踏み付けられたままの僕に、冷たい10この目が向けられる。
人を傷つけて何が楽しいのだろう。
僕みたいな弱い奴をいたぶったところで、得るものなんて何ひとつないはずなのに。
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