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容赦なく足蹴りが飛んでくる。
脇腹、みぞおち、足、脇腹、みぞおち。
最後に後頭部。
あまりの衝撃で地面に鼻を強打した。
昨日できたばかりのタンコブに激痛が走る。
地面から顔をあげかろうじて目を開けると、鼻下に何か温かいものが垂れてきた。
……鼻血だ。
ぽたり、ぽたりと地面に模様を描く。
「何か言いたいことあんだろ?」
「俺たちに謝れ。謝罪だ、謝罪!!」
武将たちが騒ぎ立てる。
どうして僕が謝らないといけないんだ。
僕は何も悪いことなんてしていない。
「ほら。とりあえずゴメンナサイって言えよ」
政宗が僕の髪を掴んだ。
ぐいっと勢いよく引き上げられ、つられて僕の顔もあがる。
必死に目を開くと、口許をゆるめた武将とATSUSHIがいた。
……謝るもんか。
絶対、絶対謝るもんか!!
「……浅井長政は浅井と書いて“あざい”と読むんだ!!」
僕は唾を飛ばしながら叫んだ。
同時に鼻血が飛び散った。
「はぁ?」
「何言ってんのコイツ」
「てかきもちわりいな」
「あざいながまさって誰だよ」
武将たちはゲラゲラ笑いだした。
武将のくせに浅井長政も知らないなんて!!と、僕は心の中で叫んでいた。
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