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数秒後、再び足が飛んできた。
僕はサッカーボールのように蹴りあげられ、その勢いで仰向けになった。
「はぁはぁはぁ」
息が苦しい。
鼻血が口にまわり、口内中鉄の味がする。
唾液にまったりと絡みついた血が、ますます僕を息苦しくさせていた。
「もっとやろうぜ。ギャハハハ!!」
慶次が余計なことを言う。
この地獄はまだ続くのか。
僕は泣き出しそうな気持ちを堪え、空を仰いだ。
その時、政宗たちが何かに気づいた。
公園の隅にあるトイレを指差し、何やら話しはじめた。
そのおかげで、僕に対する拷問が一旦止んだ。
……良かった。
口に溜まった唾液と血を吐き出す。
うまく吐ききれなくて、だらしなく口から垂れてしまった。
「……やべえ。確実にこっち来てんぞ」
「嘘だろ?誰か知り合いじゃねーのかよ」
「人違いじゃないのか!?あいつらそんなに強そうに見えないけど」
「バカ!!聞こえたら殺されるぞ。西高(サイコウ)の細目トリオっていったら、知らねー奴はいねえくらい有名なんだよ!!」
……西高?
僕の通っている高校だ。
正式名称は西園寺高校。
さいこう、と呼ばれている。
僕の高校の細目トリオといえば、
思い浮かぶのは昨日会った彼らしかいない。
だって彼らほどの細目は珍しいから。
それに、トリオだったし。
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