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「ギャハハハハ!!なんだその顔!!」
僕を指差し、大口を開けて馬鹿笑いしているのは親友の岩ちゃんだ。
教室中に響き渡る声で腹を抱えて笑っている。
……全然笑えない。
むしろ笑えるその神経がおかしい。
昨日の惨劇は僕の顔に傷跡を残し、目は腫れ頬は変色し、口は切れまくっている。
つまり、変な顔、らしい。
「ひどいよ、岩ちゃん。僕だってこんな顔になりたかったわけじゃないんだよ」
一方的な攻撃のせいでこうなったんだ。
心配のひとつくらいしてくれたっていいのに。
横に立つ太陽は僕の顔をまじまじと見つめ、
「タロちゃんボクシングの試合後みたいな顔だね」
なんてひどいことを言う。
完全にノックアウトしている僕を、まだいたぶる気だ。
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