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数分後、岩ちゃんと太陽は戻ってきた。
「彼女、お前みたいに傷だらけだったよ」と岩ちゃんが言った。
え!?
僕は思わず机を倒してしまった。
真里ちゃんに一体何があったんだ!?
「どど、どうして?真里ちゃんに何があったのかわかる!?」
僕は岩ちゃんに詰め寄った。
不安で不安で息が苦しい。
「つーか嘘に決まってんじゃん」
岩ちゃんがガサツに笑う。
……最低だ。
なんてひどい嘘をつくんだ。
ホントに僕の親友か?
歯並びの良い口元を全開にして笑う岩ちゃんに、太陽が冷静に言った。
「岩ちゃん、前歯に黄色いものが詰まってるよ」
また余計なことを。
そんなことどうだっていいだろ?と思いつつ、一度気になると僕だってそこに目がいってしまう。
……黄色い食べ物って何だ。
朝から彼は一体何を食べたというんだ。
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