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パプリカ、か。
またパプリカなのか。
僕の視線が気になったのか、岩ちゃんは自分の歯を指差す。
「コレ、のりたまのタマゴ」
ああ。
のりたまか。
それは浮かばなかった。
なるほど。
正解がわかったおかげで、一日中黄色い食べ物について悩む必要がなくなった。
その時、廊下を歩く真里ちゃんの姿が目に入った。
良かった!!
彼女は無事だ。
やっぱり自分の目で確認すると安心する。
……あれ?
彼女は真っ直ぐ僕の教室に向かっているように思えた。
今まで一度だってこのクラスに来たことのない彼女が、何のために?
……やばい。
来るぞ!!
僕はとっさに机の下に隠れた。
もちろん、お尻は出たままだったけれど。
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