みっつめの飴

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「チッ。何だよあの女。優しくしてやったのに逃げやがって!!」 岩ちゃんはぶつくさ文句を言いながら、空気を蹴る。 ……ナイスファイト!! 真里ちゃん。 やだ!! 僕ったらすっかりナイスファイトを使いこなしているじゃないか。 怖い。 人間って怖いよ。 「おい太郎。アホみたいな顔してんじゃねえよ」 岩ちゃんが僕の頭をポカンと殴る。 「どうして殴るんだよ!!」 痛い思いは嫌いだ。 「お前の頭は脳みそが少ないから、殴りやすいんだよ」 なんて、ただの八つ当たりじゃないか。 岩ちゃんはイライラしたまま自分の席に座った。 「ギャオ!!」 突然、獣のような声がした。 もちろん獣は岩ちゃんしかいない。 「どうしたの?」 ニヤニヤ笑う太陽と一緒に、僕は慌てて岩ちゃんの席に駆け寄った。 .
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