10973人が本棚に入れています
本棚に追加
/314ページ
「鮮やかな赤だね。最高だよ」
太陽はうっとりと岩ちゃんのお尻を眺めている。
その横で岩ちゃんは「ふざけんなぁぁぁ!!」と声を荒げる。
もう、嫌です。
朝からこんな人たちに構っていたくない。
僕は体中痛くて、顔だってこんなに悲惨な状態だっていうのに。
岩ちゃんがお尻を数回振ったせいで、僕の顔にケチャップが飛んできた。
傷口にしみる。
涙が出るほど痛い。
ふたりがぎゃあぎゃあ言い合いをはじめたことを確認すると、僕はこっそり教室を出た。
その足で職員室に寄り、早退することを告げる。
真里ちゃんは無事だった。
それが確認できたから、今日の任務は終わったのだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!