みっつめの飴

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何のことだろう。 僕は相撲なんてやっていない。 押し出し、寄り切り。 相撲技なんてもちろんできない、ただの太っちょだ。 「何て顔してんの。昨日の真里ちゃんとのことだよ」 「え?真里ちゃん?」 「そうだよ。昨日真里ちゃんが太郎に田中のことを話したでしょう?その時、なんで自分の気持ちを言わないの!!」 「え!?言えるわけないじゃん」 会って間もない僕なんかに「好き」なんて言われても、真里ちゃんは困るだけだ。 「何甘いこと言ってるの!!弱ってるときにつけ込まないでどうするつもり?強引に押し倒すくらいしなさい!!」 ……おばあちゃん。 それじゃ岩ちゃんと一緒だよ。 僕はそんな、犯罪者みたいな真似はしたくない。 「僕は真里ちゃんと付き合えなくたっていいんだ。だけど、彼女には笑っていて欲しいし、幸せになってもらいたい!!」 だから 田中くんと別れて欲しいんだ。 田中くんと別れたからといって、僕なんかと付き合ってくれるはずないんだ。 最初から無駄な期待はしないし、そんなこと望まない。 そうすれば傷つかなくて済む。 .
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