みっつめの飴

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おばあちゃんは大袈裟に溜め息をついた。 「太郎。そんな情けないこと言って。今のあんたは最高に格好悪い男だよ」 「……だって」 僕にどうしろっていうんだ。 体型だって顔だって自信なんてない。 弱虫だし情けないし、良いところなんてひとつもない僕に、おばあちゃんは何を求めてるんだよ。 うつむいた僕の肩に、おばあちゃんは優しく手を置いた。 「太郎はイイ男だよ。昨日真里ちゃんを守ったのは誰だったのか、もう忘れたの?もっと自分を信じなさい。自分を大切にしなさい。太郎に足りないのは、勇気と自信だよ」 「……勇気と、自信?」 「そうよ。真里ちゃんが好きならぶつかっていきなさいよ。田中から奪ってやる!くらいの気持ちでいなさい。彼女には幸せになってほしい、なんて綺麗事言ってないで、自分が幸せにしてやる!くらい強気でいなさい」 「おばあちゃん……」 珍しく、おばあちゃんの言うことは正しかった。 本当は僕だって真里ちゃんと付き合いたいし、彼女を幸せにしてあげたい。 こんな僕だけど、彼女を想う気持ちは誰にも負けない自信がある。 .
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