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その時、僕の携帯が鳴った。
流行りの着うたなんかじゃなく、無機質な機械音が鳴り響く。
この音は岩ちゃん、もしくは太陽だ。
と、一応振り分けてはいるんだけど、僕の携帯は基本的に上記のふたりと両親からしか鳴らないのだ。
おばあちゃんの腕枕から逃れた僕は、とりあえず電話にでることにした。
「もしもし」
内心、ありがとうと呟く。
ナイスタイミングで電話をかけてくれてサンクス。
「おう、太郎。お前勝手に帰ってんじゃねえよ」
電話の相手は岩ちゃんだ。
「ごめんごめん。ふたりがふざけあっていたから、黙って帰ったんだよ」
「まあ、それはいいとして。今、学校中大騒ぎだぞ」
「え?何かあったの?」
「聞いて驚くな!!なんと!!笹山と生徒会長がデキてたらしいんだよ」
「え!?」
本当に驚いた。
ビックリしすぎて毛穴が全開にひらいた。
「どうして岩ちゃんがそんなこと知ってるんだよ!?」
それは僕だけの……いや、僕と真里ちゃんの秘密のはずだ。
それなのに、なんで岩ちゃんが得意気に話すんだ!?
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