みっつめの飴

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どこかで泣いていないといい。 ひとりで涙を流す真里ちゃんを思い浮かべ、僕は自分に腹がたった。 どうして早退なんてしてしまったんだ。 あのまま学校にいれば、真里ちゃんのところに駆け付けてあげられたのに。 ……そうだ。 このままの僕じゃダメなんだ。 真里ちゃんが知っているのはカッコイイ僕のほうで、こんな太っちょな奴じゃない。 ポケットに手を入れた。 残された飴はふたつ。 ええい!! 今は真里ちゃんを励まして力になってあげることが最優先だ。 会ったことのない僕が行くより、昨日の僕のほうが真里ちゃんだってきっと心を開けるはず。 僕は出たばかりの家にもう一度戻り、そこで飴を口に放り込んだ。 味わう前に飲み込む。 これ、鉄則。 やがていつものように体が熱くなり、僕が僕じゃなくなった。 .
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