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年下とわかった瞬間、何だか急に彼らに対する恐怖が薄れた。
なんだ。
僕のほうが先輩じゃないか。
年下相手にビクビクしていたなんて最高にダサいぜ。
うん。
僕という人間は恐ろしく単純にできている。
「んじゃ人探し始めますか。てか、どんな男探してんの?」
「男じゃないよ。女の子だよ」
僕が探しているのは可愛い可愛い女の子、真里ちゃん。
「はぁ?じゃあなんで男子便所に探しに来てんだよ」
はじめて、てっちんに正論を言われた。
何だか嬉しくなる。
不思議だ。
「んなことどーでもいいから、早く誰か言えよ!!」
ひろりんがイライラしはじめた。
ひろりんは気が短い……と、覚えておこう。
「僕が探しているのは沖真里ちゃんっていう女の子なんだ。僕らと同じ高校なんだけど、知ってるかな?」
学年は違うけど真里ちゃんは可愛いから、もしかしたら知っているかもしれない。
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